細部から見える経営姿勢

2016.09.20

[コンサルの視点から] 

ある製造業のお客様にお伺いしたときに
社長様と「消費者のことを思ってものを作るとは、何が大切か」
という話題になり、しばしお話をしておりました。

 

すると、社長様が突然立ち上がって

「この機械の、このボタンを見てよ」

と、事務スペースに置かれた、ある機械のカバーを外しました。

 

それは、オフィス内の作業効率化のために最近導入した機械で

どのオフィスにもあるようなコピー機などとは違い、ちょっと特殊な機械です。

それにしても、操作ボタンがあまりにも簡略化されていて、

わかりにくく、とても難儀しているそうです。

サポート体制にも不満があるようなお話でした。

 

その操作状況も実際に見せてもらいましたが、

私が作業者だったら、とても操作できないと思いました。

 

 

 

同じようなことで、一つ思い出されることがあります。

それは自宅で購入した電子レンジの操作ボタンです。

 

この電子レンジは最近台湾企業に身売りしたS社製で

数年前の発売当時は、他社に無い高機能を売りにしており

私もそれに釣られて購入したのです。

 

しかし、自宅に届き、使い始めたら不便でならないのです。

それはデザインと高機能ということにこだわり過ぎていて

一般消費者が最も使うであろう、

”単純に温める”

というボタン操作がすぐにできないことでした。

 

作り手の意思が全面に出ていて

使い手の生活をおざなりにしてしまった

一例のように思います。

 

上述のものづくりで起こった2つの事例。

共通していることは

お客様の視点が欠けていること、です。

 

大きくとらえると、経営姿勢の問題とも言えます。

 

経営姿勢は、経営計画、経営計画

そして実行段階の行動、商品やサービス、

接客や情報発信にも

様々に具体化されるものです。

 

なので、行動の結果として外部に見せることになる

細部にも気を使わねばなりませんね。