2016.11.12
[コンサルの視点から]
●成長企業の朝礼に参加して
今年9月に、北関東を中心に展開している外食チェーン店の
坂東太郎様の朝礼に参加する機会がありました。
坂東太郎様では本部でも店舗でも、朝礼の次第が決められています。
早出の社員・スタッフが全員整列し、
身だしなみのチェック、経営理念や接客7大用語の復唱、
そのほか、当番の社員が「今日仕事上で気を付けたいこと」などを発表します。
全員が笑顔で大きな元気な声を出すことで、
10分足らずの朝礼の中で、仕事へのモチベーションを高めています。
朝礼は経営理念を浸透させ、
全員が同じ意識を持ってお客様に対応する姿勢づくりをする場とされています。
坂東太郎様では、それが全員に徹底されていました。
坂東太郎様が厳しい市場環境のなかでも、業績を伸ばしている要因には、
朝礼の浸透も寄与しているのではないかと思いました。
●朝礼の目的
朝礼を実施している企業は82%(産労総合研究所調査2010年)もあるそうです。
しかし、朝礼の機能は十分に発揮されているでしょうか。
朝礼の目的は大きく次の2つに集約されます。
①情報共有 → 伝達事項を共有する コミュニケーションを図る
②モチベーションアップ → 仕事に向かう姿勢、意欲を高める
朝礼の仕組みがあり情報共有はしているようでも、
経営トップやリーダーからの一方的な情報伝達になっているようなケースや、
スタッフが関心なくても、そのまま惰性で進めていることが少なくありません。
あなたの会社やお店はいかがでしょうか?
●活性化で大きな違いが生まれる
朝礼の活性化には自発的な参画意欲が不可欠です。
製造業B社の事例をお話します。
B社ではパートタイム勤務の方もいるため、
朝礼の代わりに、早出・遅出のスタッフが揃う
ランチタイム後の、午後の始業前10分間を
“昼礼”としてコミュニケーションを図っています。
社長や経営幹部からの情報伝達だけでなく、
全員が顔を合わせる場としてコミュケーションを深める場に出来ないかと、
全員が日替わりで3分ほど話をすることを始めました。
テーマは仕事だけでなく、社会や地域で気づいたこと、
趣味や読書感想、最近観た映画など自由です。
最初は社員らも話すことが大変だったそうですが、
社員やパートが思い思いに話すことで
互いを知ることでチームワーク力も高まりました。
また、人前で臆せずに話せるようになったという効果もありました。
B社の女性社員が退職する際の送迎会にお招きいただいた際に、
その女性社員が朝礼で話をするなど、人の前で話をする機会が
自分を成長させてくれることにもなった、と
社長に感謝しているお話を聴きました。
朝礼は1回の時間が短くても、毎日積み重ねるので大きな違いが生まれそうですね。
(このブログ原稿を元に、川崎会議所会報誌2016年11月号に
「儲かる!商売に役立つワンポイント」として寄稿しております。)