2017.09.28
[コンサルの視点から]
少し前になりますが「人を大切にする経営学会」の講演で
日本を代表するホテルのひとつ、帝国ホテルの
代表取締役会長 小林哲也氏のお話をお伺いしたことがあります。
帝国ホテルは1890年創業ですから
既に127年という歴史を有しています。
小林氏はホテルマンとして入社して
お客様を大切にするという気持ちを
どのように具体的に行動で示すかということを
常に叩き込まれ、また実践してきました。
東日本大震災の発生した2011年3月11日の夜に
帰宅困難者2,000人を招き入れて
無料で毛布を提供し、また温かなスープを振る舞ったそうです。
これもトップの指示ではなく
現場の方が発案してきた行動だそうです。
それは何よりも、常日頃の「お客様に対して」ということが
現れただけのことではないでしょうか。
そのような行動が「さすが帝国ホテル」という
ブランド、信頼につながっているわけです。
さて、ブランド、お客様への信頼を生み出すには
長い積み重ねが必要になります。
そのためには適切な利益を出しながら経営を継続することが必須です。
継続から培われていくブランドは、付加価値として利益を生み、
利益がブランドを強くするという好循環がベストですよね。
小林氏は、その適正な利潤を次の投資に結び付けることが
ブランド維持、向上に必要なわけで、
老舗だからこそ、そのブランドに甘んじず
常に進化しなければならないと強調しました。
ブランド→利益→投資
はサイクルになっている関係です。
まずは利益を生み出して、次への投資をする
それがブランドを作り上げるという流れを
経営の中で作っていきたいものです。