経営判断に第三者の視点を

2017.04.01

[コンサルの視点から] 

 格安旅行券、格安ツアーを販売していた旅行代理店「てるみくらぶ」の経営破たんが大きな話題になりました。

 経営破たん直前までツアーを売りさばき、しかも現金一括で入金をさせるなどで販促していたため、入金したのに旅行に行けない、旅行先から帰国できないなど、利用客は大きな被害にあっています。

 

 NHKニュースから引用すると、少なくとも3年前から赤字に陥った可能性があるにもかかわらず、黒字に見せかける決算書を作り、経営実態を偽って事業を続けていたとのこと。

 大きな被害額がクローズアップされているのは当然のこととはいえ、どうしてこのようなことになったのか。

 
 飛行機の小型化の進展や円安など外部要因も大きいと思いますし、シニア向けの過大な新聞広告費という内部要因も大きいです。

 
 しかし、一番の原因は、「赤字を黒字に偽った」、最初の社長の判断、この一点に尽きると思うのです。

 
 赤字を真正面から受け止めることができなかった、その結果として、決算書の改ざんなど余計な時間を使い、顧客のためのまっとうな判断ができなくなってしまったと考えます。

 

 あの社長さんは、この判断をするときに、誰かに相談したのでしょうか。
 もしも適切な相談相手がいなかったとしたら、とても残念でなりません。
 
 問題が起こっているときに、自分ひとりで考えていても、堂々巡りしてしまい、冷静な判断ができなくなります。
 こんな時に、第三者の誰かに話すことができたら、冷静な自分を取り戻し、顧客のために、あるいは社員のためになる方向性を見失うことはないと考えます。

 「こんなことは相談できない」という躊躇や遠慮は要りません。
 冷静な第三者の視点を活かしてください。

 経営相談はこのようなときのために、使っていただきたいのです。