2019.07.20
[コンサルの視点から]

良い商品や製品を作っても、自分で売る、顧客を作るということは並大抵のことではありません。
顧客との接点をどう作るのかを、自社製品の強みを活かし展開している「みやじ豚」さんの事例をお話します。
㈱みやじ豚さんは、神奈川県藤沢市で月100頭のみ限定生産する豚生産者です。
限定生産で美味しい豚肉を提供するというだけにとどまらず、自前で直接販路開拓を行っている企業でもあります。

社長の宮路勇輔さんは、父が始めた養豚農家の2代目です。
一次産業を「かっこよくて・感動があって・稼げる3K産業に」したいと考えて、事業を継いで様々な戦略を打ってきました。
そこで考えたことが、ブランディング。
もともと父親の代から、宮路さんの豚肉は美味しいと評判でしたが、
友達に「どこに行ったら帰るのか」と尋ねられ、それに返答できなかったことにショックを受けたと言います。
一般的に養豚業者は、豚を出荷したあとは、全て取引事業者の手にゆだねられ、自分で販売することはもとより、どこで販売されているのかもわからなくなります。
ですから、自分の生産した豚だという明確な「ブランド」が必要だと考えました。
わかりやすい名前をつけ、その豚(肉)を自分の手で販売しようということです。
ですから、と殺場からは食肉事業者が精肉加工しますが、それを宮路さんが買い取る形で、自社販売(通販、飲食店卸)しています。
一方で、自社販売でルートを作っていくとき、お客様との接点をどのように作るのかというのは最大の課題です。

宮路さんが考えた方法は、食べてもらう機会を作ることでした。
美味しい豚を味わう機会があれば、それを軸にして広がっていくことを期待してでした。
月2回ほど、近くの果樹園のハウスを借り切り、「バーベキューBBQ」をしています。
一人4,000円で有料ですが、ビール・ソフトドリンクが飲み放題、みやじ豚を美味しさを思い切り楽しめるため、口コミで広がっていたそうです。
リピーターも多く、遠方から来られる方もいるそうです。
自社の商品の強みをアピールする機会をどう作るか。
顧客との接点づくりの参考になる事例だと思います。