2022.10.03
[強くてやさしい会社]
価格の安さは”善”だけではない
大手回転寿司チェーンの社長が、就任前に勤務していた同業会社の仕入情報を不正に入手していた
ということで、逮捕される事件がありました。
過当な価格競争がその原因と言われています。
安くお寿司を食べられることは、消費者にとってありがたいことです。
安い価格で提供するために、様々な経営努力をしていることはわかります。
しかし、行き過ぎて一線を越えてしまったのでしょう。
一皿100円強で利益を出そうとすると、無理が出てきてしまうのだろうと思います。
低い粗利益で、沢山販売しようとすると、現場にも無理が来ているのではないでしょうか。
働く人はどう感じているのだろうか、とも考えてしまいます。
価格は事業の根幹を成すものであり、最も慎重に考えなければならないのです。
高くても、良いもの、美味しいものを集める「信念」を貫くスーパー
安いから買う、という消費者がいる一方で、高くても美味しいから買うという消費者もいます。
そのようなお客様から絶大な信頼を誇っている食品スーパーマーケットが、
高崎市にある「スーパーまるおか」です。
145坪という、決して広くはない店舗には、全国から集められた5,000品目もの食品が並んでいます。
しかも、ナショナルブランド(NB)は一品足りとも置いていないという徹底ぶりです。
同店は
➀美味しいこと
②原材料と製造方法が間違いないこと
③添加物や農薬の使用を回避していることの
3つの基準をクリアしたものしか仕入れません。
安くて売れるから仕入れるのではなく、良いものだから仕入れます。
ですから、商品の知名度はほとんどないものばかりです。
でも、商品の知名度と美味しさには相関関係はないと、社長の丸岡さんはおっしゃいました。
その言葉を証明するかのように、お客様がひっきりなしに来店されます。
しかも、遠方№の自動車も多いのです。
客単価は4,000円と、一般のスーパーマーケットの2倍を誇っています。
ナショナルブランドでなくても、TVコマーシャルが無くても
「スーパーまるおか」に置いてある商品に間違いはないことを、お客様は知っています。
丸岡さんの信念、ひいてはスーパーまるおかさんの信念に、
信者たるお客様が集まっているような気がしました。
ややもすると価格を安くとか、少しでも入手しやすいものを
あるいは、欠品しないようになどと考えてしまいますが、
確固たる信念が、非価格経営をもたらしているのです。