2022.10.31
[IT活用・デジタル化]
ロボットが歩く店内
先日、仙台市郊外の6次産業化の販売施設を訪問した際、
店外の芝生スペースでは、芝刈りロボットがせっせと動いており
芝生スペースがきれいに整えられていました。
店内に入ると、1台の販売ロボットがお勧め商品を持ちながら
通路を縦横無尽に行き来していました。
こちらの店舗でのロボット使用は、
効率化というより、どちらかというと「販売促進」的な要素が強く
来店されたお客様へのエンターテイメントにも近いように感じられました。
ファミレスでのロボット配膳
省力化のロボットが、実践的に使われていることを知ったのは
ある駅近のファミリーレストランで、配膳ロボットを見たからでした。
そのレストランには、2か月に1回程度、仕事の合間に立ち寄ります。
席に着いてからタブレット端末で注文を済ませた後、
仕事をしながら待っていました。
ちょっと仕事に集中していたら、
何やら繰り返し、同じような声が聞こえてきます。
私のテーブルの前には、配膳ロボットが来ていて
そのロボットから注文した商品を受け取るようにと
繰り返し声掛けをされていたのでした。
機械音は同じ口調なので、気が付かなかったのですね。
私がお盆を取ると、ロボットは次の配膳先へと向かっていきました。
この間、恐らくは10秒~15秒程度の時間だったと思います。
でも、スタッフが配膳していたら、
集中していて聞こえていない私への声掛け方法も工夫して
もう少し早く配膳したのではないかと思いました。
結局のところ、省力化できているのだろうか、とも感じてしまいます。
IT活用の目的は無人化だけではない
ロボット活用は、デジタル化の一つの象徴として位置づけられています。
しかし、そんななかで、デジタル化を別の方向から活用しているお店があります。
伊勢神宮の参道にある「ゑびや」という飲食店です。
一見普通の飲食店に見えます。
注文はタブレットで、レジも無人化レジが2台並んでいますが
配膳はスタッフが行っています。
忙しいん中でも、丁寧にゆったりと仕事をしているように見えます。
少しデジタル化が進んでいる様子、としか思えません。
この店舗では、様々なデータをもとに翌日の来店客数を算出し
メニューや仕込量の予測で準備しているそうです。
そのため、無駄な仕込みをすることなく
お客様の予測のため、スタッフも落ち着いた対応ができ
空いた時間を、ゆとりある接客へ配分していると伺いました。
見えないところで、お客様に違和感がない形で
デジタル化が進められているのですね。
また、店頭の大きな写真看板も
その日の予測をもとに並べられているそうです。
ロボットに配膳させる省力化のためのデジタル活用。
一方で、ゆとりある接客のためのデジタル活用。
お店のコンセプトが異なりますから、どちらが正解というわけではありません。
しかしながら、食事を楽しむ場所である飲食店では
後者によるデジタル活用が私は好ましいと思うのでした。