大谷翔平の記念ボールと「有効供給」

2024.10.07

[強くてやさしい会社] 

大リーグで活躍中の大谷翔平が、1シーズンに50本塁打以上と50盗塁以上を同時に達成した、

いわゆる「50-50」が話題になっています。

今朝ほど、あるテレビ番組で、その「50-50」達成の記念ボールがオークションに出されていて、

実に2億円近い価格が付いているとの話題がありました。

たかがボール、されどボール。

   
私にはその価値が良くわかりませんが、
2億円の価値を認める方が世の中にはいるということです。

このボールの価格の行く末はわかりませんが
仮に2億円とした場合、
「2億円のボールが欲しい」という人がいたから
購買状況が生まれてきたのでしょうか?

そうではなくて、
大谷翔平の「50-50」というボールが出てきたから
2億円を払っても買おう、

と購買意欲を搔き立てられた方が
手を挙げているのですよね。

何を言わんとしているかというと
有効需要」と、「有効供給」の違いです。

経済学には「有効需要」という言葉があり
「不況は有効需要の不足によってもたらされる」
という考え方に立っています。

 

お客様が欲しがるから、商品が売れるという理論です。
すなわち、不況になると消費者が欲しがらないから、

金利を下げたり、公共事業を発動して、

有効需要を創出したりするわけですが
なかなかそれでは解決していない状況です。

そこで、経営学者の坂本光司先生は
「有効供給が不足しているから、企業が不況になる。
 業績が良い会社は、お客様が欲しくなる製品やサービスを提供しているから、

 不況は関係がない。」と言います。

企業と大谷のボールは関係ないように思いますが
大谷のボールは、まさに「有効供給」なのだと思いました。

 

大谷の記念ボールという「有効供給」が先にあり、
それを買いたい!という人が出てくるのです。

「お客さんがいない」のではなく
「お客さまが欲しがる、見つけてくれる」という状況にしなければならないのです。