2024.10.09
[強くてやさしい会社]
伊那食品工業㈱様では、年功序列を大切にしながらも
社員1人ひとりが自主的に行動して、
仲間と協力して成長を促す姿勢が特徴的でした。

<掃除機械も全て社員らで操作しています>
年輪経営の要ともいえる、人財教育のポイントをまとめてみます。
1.年功序列を重んじる
年功序列がしっかりと根付いていますが、単に年次によって評価されるという意味だけではありません。
経験ある先輩が、後輩の成長を見守り、導く姿勢が重視されています。
経験豊富な社員が手本を示し、自然と後輩たちが学んでいく環境が整っています。
2.経験の幅を広げる環境
自分たちでできることは、自ら実施する姿勢があります。
例えば、土日関係なく、毎朝の「かんてんぱぱガーデン」の掃除も、
高枝を切る高所作業でさえ、自分たちでやってしまいます。
社員旅行の企画も、自分たちで創り出していく意欲が高く
自分の出来る範囲、自らのテリトリーを広げていこうという姿勢が浸透しています。
3.「郷中教育」のような先輩・後輩関係
先輩たちの姿を見て後輩が学ぶ、という自然な形があります。
かつて薩摩藩で行われたという「郷中教育」のような仕組みと似ていると
同社の井上修相談役からも以前伺ったことがあります。
マニュアルが無くても、目標が無くても
先輩が懸命に取り組めば、後輩たちがそれを見て学ぶようになっています。
4.「スポットライト」の数を増やす
年功序列について皆が納得しているという理由の一つには
単に割り当てられている仕事の優劣や、販売額の多寡だけでなく
各社員の得意なこと、優れたことを多面的に評価する風土があります。
「皆でやる」ことが多いことも、スポットライトを浴びる機会となります。
皆がそれぞれのスポットライトを浴びて、注目がされる、
そのような環境にあります。
凛とした空気を感じながらも、優しい雰囲気のある会社。
そこには人財教育が大きく寄与しているように感じました。