社員満足度調査をあえてしない理由とは?—自らの評価軸をつくる

2024.10.10

[強くてやさしい会社] 

社員満足度調査は、多くの企業が導入している評価手法の一つです。

その結果をもとに、組織の問題点を明確にし、改善策を講じることが一般的です。

 

しかし、伊那食品工業㈱様では、社員満足度調査はしていません。

それはなぜか?

 

5点満点を取ったら、それ以上がないから

という考え方だからです。

 

つまり、既存の基準で満足度をはかることが、

成長や進化を止めてしまう可能性があると考えているからです。

 

自らが作った評価軸だったとしても、

それを達成することで「満足」としてしまいがちです。

 

どんなに高い点数でも、評価基準が設定されている限り、

それを超えるものを追求するということの難しさがあるからといえましょう。

 

訪問時のQ&Aの答えにはありませんでしたが

同社が目指されているのは、既成の基準に頼らずに

自らの評価軸を、自らつくり続けるということだと思いました。

 

これは一見すると自由で柔軟なように思いますが、

実際には厳しい道のりではないでしょうか。

 

既存の基準に合わせるのは、ある意味で楽な方法です。

しかし、基準がない中で目指すべき方向に向かって

常に成長し続けることは、試行錯誤が必要になります。

 

他社などと比較することなく、自分たちの成長や進化に真摯に向きあい、

同時に「いい会社をつくりましょう」という社是を具現化しようとする、

自発的な動きがある会社、

それが、伊那食品工業㈱たるゆえんなのかと感じました。