「何のために働くのか」~労働価値観と幸せの関係とは

2024.10.25

[強くてやさしい会社] 

就業者のモチベーションについて国際比較した調査報告

パーソル総合研究所

グローバル就業実態・成長意識調査-はたらくWell-beingの国際比較

について、読んでいきます。

 

報告書では、日本において、はたらく幸せ実感が低い要因について分析しています。

その要因のなかに、

「はたらく幸せ実感」とは無関連の「賃金重視」の価値観が強いためという

理由が挙げられました。

 

報告書によれば、

労働価値観とはたらく幸せ実感は強く関連するとのことです。

 

ここでいう労働価値感とは

・所属組織に自分を捧げるため

・自分の持っている力をすべて出し切ったと思うため

・社会の人々を助けるため

・同僚の役に立つため

・自分自身の成長のため

・自分の知識や技能について、他の人々から認められるため

・良い生活をするのに十分な賃金を稼ぐため

という7項目が、価値観として示されています。

 

 

他国と比較して、日本が顕著だったことが

「十分な賃金を稼ぐこと」を重視する傾向が強く

「所属組織に自分を捧げる」は重視しない傾向がありました。

 

この結果に対して、自分がイメージしている日本人観、社会人観と

異なっているので、読んでいて混乱しました。

 

そして、残念なことに「十分な賃金を稼ぐこと」が

はたらく幸せ実感とは相関していないのです。

 

つまり、十分な賃金を稼ぐことを重視しても

働く幸せは強くならないということです。

 

とはいえ、大変利己的というわけではなく

「社会の人々を助けるため」

「自分自身の成長のため」

という価値観も、相対的に強くあるのです。

 

お金を稼ぐことが、評価になってしまっているのではないかということ。

そして、

自らの所属する組織に自分を捧げる、というのは

日本人にとっては、少し大げさな質問のように聞こえるのですが

「組織愛」が足りないということです。

 

お金を稼ぐことだけの価値観が強いと

何か殺伐とした雰囲気を感じてしまいますよね。

 

あなたの会社の社員は

会社のために働こうという意欲はありますか?

 

その意識が弱かったとしても

「社会のために働く」

「自分の成長のために働く」

ということを強調したり、訴求したりできれば

働く幸せを実感しやすいということが言えます。

 

社会と自分の仕事とのつながりを意識させていくことも

大事なのかもしれません。