2024.11.08
[コンサルの視点から]
川崎商工会議所様の2024年11月号会報誌に寄稿しております。(2009年~)
制度を活用した企業の事例
製造業A社(従業員数42名)が、経営に関するある団体の表彰制度に申請して受賞しました。
A社にとっては受賞が目的ではありませんでした。
その賞の厳しい審査基準をクリアするため、
労務環境整備や取引先への対応など様々な経営改善の取組みを実践したのですが、
そのプロセスこそ、経営や社員にとってメリットが大きいと考えたためです。
受賞により社員も喜び、社内のモチベーションが上がったと実感したそうです。
制度を活用するメリットとは
行政や団体による、中小企業向けの様々な表彰制度や認定制度が用意されているのですが、
あまり知られていないことや、自社・自店には「関係ない」と考えている経営者も多いのは残念です。(一覧は下記)
表彰・認定制度活用のメリットは次のとおりです。
1)経営課題の把握と改善
表彰や認証の基準をクリアするプロセスを通じて、
自社・自店の強みや弱み、経営課題が明確になり、改善を図ることができます。
会社全体を巻き込んで実施することが望まれます。
2)社会的信用の向上
企業や店舗、あるいは製品・商品・サービスへの信頼性や評判が高まり、取引先や顧客からの信用が向上します。
3)人材採用や定着、モチベーション向上
企業の認知度の向上によって、採用などに有利になる可能性があります。
また、経営改善の効果や受賞による従業員のモチベーションアップが期待できます。
4)金融支援への機会
制度によっては表彰や認定などを受けることで、低利融資などの機会が設けられています。
認定後のポイント
認定後は、自社・自店のウェブサイトやSNS、プレスリリースなどを通じて積極的に発信しましょう。
使用が許可されたロゴマークの積極的な活用などもその一つです。
しかし、表彰や認定が到達点ではありません。
一時的な成果に終わらせず、次なる改善への足掛かりとしましょう。
<川崎市内企業を中心とした、表彰制度や認定制度(一部)>
●川崎市内企業を対象としたもの(行政や公的機関によるもの)
・かわさきものづくりブランド
・かわさき名産品
・かわさきSDGsパートナー認証制度
・「かわさき☆えるぼし」認証制度
・かわさきマイスター認定制度
●その他
・かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度(神奈川県)
・健康経営優良法人認定制度(経済産業省)
・えるぼし認定制度・くるみん認定制度・ユースエール認定制度(厚生労働省)
・日本経営品質賞(公益財団法人日本生産性本部)
・日本でいちばん大切にしたい会社大賞(人を大切にする経営学会)