2024.11.12
[強くてやさしい会社]
ソクラテスの産婆術と吉田松陰
先日、SNSのX(旧・Twitter)で、農業研究者の篠原信氏が
幕末に吉田松陰が、なぜ短期間に明治維新で活躍する人材を創出することができたのか
という推察をされていました。
篠原信氏 shinshinohara @ShinShinohara
https://x.com/ShinShinohara/status/1855051259792982158
篠原氏は「その人材育成法は、私が思うにソクラテスの「産婆術」そのもののように思う。」
と書かれています。
ソクラテスの産婆術ということは、その時に初めて知った言葉でしたが
デジタル大辞泉によれば
「問答を通じて、相手の知識のあいまいさや矛盾を指摘し、
無知の自覚を呼び起こすことによって、
正しい認識を生み出すように導く過程を産婆の仕事にたとえて名づけたもの。」
つまり、相互に教え合い、質問しあうことにより
気づきを与えて、内発的なアクションへと導くことのようです。
誰もが教える立場となり、
教えることや、質問されることで
教える側も新しい気づきがあり、
教えられる側も、一方的な情報でなく
双方向的なコミュニケーションで
自然のうちに、知識を深めていくのです。
株式会社トーケン様の、社員が講師になる勉強会
石川県金沢市の建設総合サービス業の株式会社トーケン様には
「胎動塾」という、社員が講師となる勉強会があります。
※トーケン様は第14回日本でいちばん大切にしたい会社大賞受賞
1回あたり30分以内ですが、半月に1回、年24回程度開催します。
すでに400回以上の開催実績があるそうです。
テーマと担当者は指名で決められて、
担当になった社員は約半年をかけて、そのテーマについて調べて発表するそうです。
最初、この胎動塾の話を聞いた時には
どのような意図があるのだろうかと思っていたのです。
しかし、篠原氏のSNSを読んで
そういうことなのか、と合点がいった次第です。
胎動塾では、社員が調べることによるスキルアップもあるそうですが
意識改革や、相互の連帯感の向上なども大きいとのこと。
学び、学びあう仕組みが大きく寄与していると思われます。
外から講師を呼ぶ、あるいは講師を招いた勉強会も必要ですが
社員同士が学びあうことの意味の大きさを知りました。
▶アイパス経営コンサルティング株式会社
代表取締役・中小企業診断士 有村知里