人に組織を合わせる経営

2024.11.27

[強くてやさしい会社] 

仙台市にある「自然派ビュッフェレストラン 六丁目農園」は

障がい者が働くビュッフェレストランです。

 

障がい者スタッフはクルーと呼ばれていますが

レストランで働く半数以上はクルーです。

 

とはいえ、レストランは障がい者雇用を前面に出していません。

 

美味しくて、リピーターが多く

休日には予約が取りにくく、

いつもお客様でいっぱいの

繁盛レストランなのです。

 

実はこのレストランは、

通常のビュッフェスタイルレストランとは

異なるところがあります。

 

・野菜料理が多く、野菜をすべて厨房で手切りしていること

・作り置きせずに、こまめに料理を提供すること

・小皿盛りをしているので、

 出来立ての料理が並ぶようにしていること

・ランチしか営業していないこと

・立地が良くないこと

 

レストランとしては、非効率と言ってもいいでしょう。

 

でもこのスタイルこそ、

障がい者が働きやすいレストランだったのです。

 

障がい者は臨機応変な対応は苦手とすることが多く、

臨機応変な対応も苦手です。

 

でも、特技を生かしたものがあれば

徹底的にやり遂げる能力を持っています。

 

このため、ビュッフェスタイルです。

料理を提供するのは

それが得意な人がやります。

 

厨房の中では、カットが得意なクルーが担当して

丁寧に手切りができているのです。

 

いわば、ジョブ型雇用のように

得意な人に、得意な仕事をしてもらう仕組みです。

 

通常の組織では、人が組織に合わせるのですが、

六丁目農園では、

組織が人に合わせるという、

長所伸長型なのです。

 

障がい者が戦力となって働くためのスタイルですが

多くの組織で、本来は考えていかなければならない

スタイルのように思います。

 

▶アイパス経営コンサルティング株式会社 

 代表取締役・中小企業診断士 有村知里