2024.12.03
[強くてやさしい会社]
「教えることをあきらめない」
日本理化学工業株式会社様に視察訪問した際に、
最も印象に残った言葉です。
同社は、キットパスなどのチョークを中心に
製造販売している企業で、
川崎市高津区にあります。
全従業員93人中67人が知的障がい者
(うち重度の障がい者は25人)が働く、
いわば障がい者が主戦力になっている会社です。
工場では、社員の皆さんがきびきびと働き、
誰が障がい者なのだろうか、
言われなければわかりませんでした。
障がい者の方は、臨機応変な対応や
柔軟性には少し欠けるところがあるけれど
集中力と持続力が高く、
一度習得すると
職人としてのポテンシャルの高さを持っています。
得意分野が健常者と少し違うだけなのです。
現社長の大山隆久さんは、
障がい者雇用において大切なことは
・相手の理解力に合わせて、段取りをする
・できるところから教える
という、
伝えること、教えることが基本、
と話してくださいました。
「できないのは、教えた者の責任です」
それって、障がい者雇用だけでなく
健常者も、新卒者だって同じこと。
とても耳の痛い言葉でした。
同社では、採用したら絶対戦力にするように
とことん、採用した社員に向き合います。
働くことが、その人の幸せをもたらすからです。
会社はそのステージを提供して、
ともに幸せになる場だからです。
「教えることをあきらめない」は、
昭和30年代から50年以上の長きに亘り
障がい者雇用をしている同社の経験から
障がい者に光る未来がある言葉でした。
教える者、経営者として
肝に銘じておかなければならないと感じます。
▶アイパス経営コンサルティング株式会社
代表取締役・中小企業診断士 有村知里