新規事業への挑戦を考えよう

2025.04.12

[強くてやさしい会社] 

新規事業がうまくいったのは好運だから?

 
コロナ禍においては新分野展開、業態転換など

事業再構築へのチャレンジが多く見られました。

 

昨今は、経済環境の変化が大きいので、

今のうちに新たなチャレンジに取り組みたい企業や店舗が増えています。

しかし、どこから手を付けたらいいのかというご相談を受けています。

  
最近、訪問したある眼鏡の部品製造業だったA社では、

自社の技術を活用し、楽器部品という新分野進出に成功しています。

そのきっかけは資材の仕入会社からの紹介でした。

 

別の製造業B社は、自社で開発した新製品を展示会に出展しましたが、

来場者からの引き合いは無かったものの、

出展をきっかけに異分野から声がかかり、

新たな製品を開発して新分野に進出することができました。

  
両社とも好運に恵まれたと思われるかもしれませんが、

新規事業の成功には共通するポイントがあります。

成功している企業と、成功していない企業とを比較してみましょう。

 

 

成功している企業の共通ポイント

  
1)自社・自店の強みを把握する
 自社の強みの洗い出しを、社内の議論などで深めており、

 社員も強みを認識しています。

 また、他社との差別化について分析する、

 あるいは、販売データや口コミに基づいた評価も把握するなど、

 成功している企業は、客観的に自社の強みをとらえているのが特徴です。

   
2)顧客や市場ニーズを探る
 市場ニーズをどこから探るのかということは、両者で大差がありません。

 しかし、「誰が」市場ニーズを把握するのかについて、

 成功した企業では「社内の企画部門・担当者」という、

 経営の方向性を決める者が関与することで、適切な展開につながっています。

 つまり、経営者や幹部が市場ニーズの把握に敏感なことが重要です。

   
3)チャレンジ精神が旺盛である
 上記のA社では「とにかく一度やってみる」という社風があります。

 新規事業に成功している企業は、

 顧客などの要請にも積極的と応えようと取り組み、

 新たな収益源を確保したいと、自発的に新事業展開を検討する傾向が高いとされています。

   
4)ネットワークを活かして、外部の力を取り入れる
 新規事業で成功している企業では、

 製造でも販売でも、技術・ノウハウやスキルを持った企業や大学等との

 連携、共同開発、産官学連携など、

 これまでの自社にはない、外部の新しい風を取り入れる傾向があります。

 

 新規事業への挑戦には様々な課題がありますが、

 機会を逃さず、チャレンジする精神が不可欠です。

 アンテナを少し高くしてみると、

 今までは目に留まらなかった、

 新しい情報が入ってくることに違いありません。

 

※こちらは、川崎商工会議所機関誌「かいぎしょ」2025年4月号に寄稿したものです。