2021.10.01
[コンサルの視点から]
「誠実さ」という言葉を目にするようになったこと
最近、「インテグリティ」という言葉を目にしました。
インテグリティ(integrity)とは、英語で「誠実」「高潔」「廉直」などという意味だそうで、
「あの人は”インテグリティ”がある」というように使われるそうです。
他人に対して誠実であるとか、
職務に対して誠実であるという状態を言います。
初めて目にする言葉でしたが、
意味としては極めてシンプルです。
このところ、ESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))
ということが叫ばれたりしています。
また、仕事の効率か生産性など、技術・技能的なことではなく、
その人柄や性格など、基盤的、道徳的、倫理的な側面について
大事であるということが、ことさら取り立てられているように思うのは、私だけでしょうか。
例えば、大河ドラマで話題の渋沢栄一も、日本の経済の基礎を築いた人ですが
「論語と算盤」という著書が有名なように、道徳と経済について説いています。
渋沢栄一が取り上げられているのも、社会の流れと無関係ではないように思います。
大企業の品質不正事件から思うこと
そんな折、元財閥系企業の長年にわたる品質不正事件の中間報告書が発表され
経営者らが説明、謝罪会見がニュースになりました。
これらの不正は、組織の都合を優先し、
社会的な基準を守らなかったことによって発生しました。
組織の中に、「インテグリティ」~誠実さという軸があったら
組織の都合を優先する前に、社会的な立場から物事を考えて
修正するという動きがあったでしょう。
そもそも、何が大切なのかということを考えて
品質不正が起きないよう対処していく動きがあったはずです。
お天道様が見ている
最近の倫理、誠実などの言葉が示すのは
効率一辺倒中で忘れてきてしまったことへの反省があるように感じます。
特に、社会のリーダーたちが、ともするとインテグリティに欠ける行動が見られることが
反面教師になっているのかしら。
古くからあった「お天道様が見ている」という言葉は、
子どものころ、祖母が使っていたような言葉です。
でもそれが軸にあることが大事だと感じるこの頃です。