2023.06.27
[強くてやさしい会社]
100年カレンダーはなぜあるのか
先日、伊那食品工業様に視察訪問した際に
会議室に「100年カレンダー」が掲示されていました。
100年カレンダーとは、
100年分のカレンダーがポスター大の1枚の紙に入っているものです。
写真の左上、青い囲みの1つで1年分です。
「このカレンダーのどこかに自分の命日がある。
だから、どう生きたいのか」
という考え方が根底にあり、
それが見える化されているのが、100年カレンダーです。
かつて二宮尊徳は
「遠くをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す」と唱えました。
伊那食品工業を素晴らしい企業へと成長させた
塚越寛最高顧問も、「遠くをはかる」ことの大切さをおっしゃっています。
遠くをはかることには意味がある
遠くをはかることにはどんなメリットがあるのか。
当たり前のようですが、ここで今一度考えてみたいと思います。
① 目先の利益で動かなくなる
目先の利益にとらわれることがなくなります。
目先の利益を追うようになると、短期的に売上を目指し、
無理に価格を下げたり、不安定な取引に手を出してしまうことも起こり得ます。
急がば回れで、善の経営ができるようになります。
② 将来に敏感になる
現在の状況だけでなく、将来的なトレンドや動向
リスクにもアンテナを高く、敏感に目を向けることになります。
それによって、市場・環境の変化への適応することができます。
③ 長い目で見た種まきができる
コツコツと、無理なく適切な投資ができます。
じっくりと花を咲かせて実ができるように
将来的な成長や拡大が期待できます。
④ 社員やスタッフに無理な負担をかけない
短期的な利益や成長を目指すと、
社員に無理な営業や開発生産を強いることになります。
結果として、モチベーションを下げ、
生産性を下げるという悪循環を招きかねません。
長期的なビジョンを明確にして、モチベーションを維持してもらうためにも
遠くをはかる経営は大切です。
⑤ 持続可能な経営によって、企業としての社会的責任が果たせる
雇用も、納税も、社会環境の維持や地域貢献も、
経営の継続が大前提で実現できることです。
遠くをはかり、持続可能な経営ができれば
企業の存在価値が高め、社会や地域に貢献ができます。
「遠くをはかる経営」は、時間をかけないと成果も見えません。
日々の営み、当たり前のことを当たり前に積み重ねている
それが、何年、何十年と積みあがっていっていくのが
「遠くをはかる経営」なのではないか、と
伊那食品工業様の経営姿勢を見させていただき感じました。
あなたが見ているのは、明日の経営ですか?
それとも5年後、10年後の経営ですか?