2025.11.19
[小さくても強くてやさしい会社]

企業の現場では、
「会議が形骸化してしまっている」
「情報共有の場なのに、社員が発言しない」
そんな声を耳にすることがあります。
一方で、人を大切にする経営を実践している企業では、
会議そのものに独特の「やさしい強さ」が感じられます。
何が違うのでしょうか。
A社の会議に見る“やさしい強さ”
人を大切にする経営を実践しているA社は、社員数約300名の製造業です。
A社の会議には、いくつかの特徴があります。
まず、会議予定日の1週間前に内容を全社に周知します。
会議の目的・目標、使用する資料、当日のスケジュールが明確に共有されます。
また、管理職だけが発言する場にしないための工夫として、
司会・書記・タイムキーパーを会議ごとに決めています。
会議の初めには目的や今日の目標を再確認し、参加者の意識を整えます。
さらに、A社では会議の冒頭に「20秒スピーチ」があります。
共通のお題に対して、参加者全員が20秒だけ自分の言葉で話すものです。
一人ひとりが少しずつ声を出すことで、場の温度が自然に高まっていきます。
このような積み重ねによって、
「何の会議だったのかよく分からない」
「結局何も決まらない」
「長引いて本来の仕事に支障が出る」
といった状態を避けられるようにしています。
また、A社の会議では常に“ニーズに立ち返る”姿勢があります。
製造部のBさんと営業部のCさんの意見が異なっていても、
「何のための会議なのか」という目的に戻ることで、
競い合うのではなく、より良い解決策を共に探す空気が生まれていました。
A社では
「終わったあとに、笑顔で走り出せる会議」
というイメージを社員全員で共有しているのが印象的でした。
良い会議に共通する3つの特徴
1.会議の目的が明確で、全員で振り返る文化がある
よい会議は、始まる前に目的がはっきりしています。
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・何を決めるための会議なのか
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・情報共有だけの場なのか
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・気づきを持ち寄る対話の場なのか
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目的が異なれば、進め方も資料の内容も変わります。
また、終了後には必ず振り返りを行い、
「今日決まったこと」、「次回までの宿題」、「実行する人」
を確認します。
こうして“動き出せる会議”を重ねることで、
PDCAがまわり、会議そのものが育っていきます。
2.結論よりも「背景」を大切にしている
人を大切にする会社の会議では、
「なぜそう考えたのか」
「どんな出来事があったのか」
という“背景”を丁寧に確認します。
背景を共有することは決して遠回りではありません。
むしろ、意思決定の質を高め、
チーム内の信頼関係を強める重要なプロセスです。
3.「静かな人の声」を拾う仕組みがある
全員が参加できる仕組みがあります。
A社のように20秒スピーチを取り入れるほか、
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・事前の質問シート
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・小グループ対話
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・チャットや付箋での意見可視化
といった工夫があります。
発言量ではなく、全員の“思いの量”を大切にしているのです。
こうした仕掛けがあることで、
普段は控えめな社員の声から、
現場改善のヒントが生まれることも少なくありません。
おわりに
会議は、その会社の文化が最も表れやすい場所です。
人を大切にする会社の会議は、決して派手ではありませんが、
ゆっくりと、丁寧に、
メンバー同士が“わかり合う”ための時間が流れています。
その積み重ねが、
結果として強いチームづくりや離職防止、生産性向上につながっていきます。
もし、会議の改善を通じてチーム力を高めたいとお考えでしたら、
必要なときに、いつでもお声がけください。
小さな一歩から、組織は確実に変わっていきます。
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アイパス経営コンサルティング株式会社
代表取締役・中小企業診断士
有村 知里
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