2025.12.03
[小さくても強くてやさしい会社]
企業のご相談を受けていると、
「情報共有がうまくいかない」
「社内に同じ情報が届いていない」という声をよく耳にします。
情報共有というと、仕組みやツールの問題と思われがちです。
しかし本質はそこではありません。
共有する文化をつくるには、システム以上に“あり方(姿勢)”が大切なのです。
前回の記事で、
会議を“わかり合う時間”にすることや、
朝礼を“心をそろえる時間”にする会社をご紹介しました。
それらに通じるのが、
日常の「情報を開く姿勢」=共有の文化です。
今日は、情報共有がうまくいかないときに起こる小さなすれ違い、
そして“共有できる空気”を育てるための視点をまとめます。
1.情報が共有されないと、職場に小さなズレが生まれる
来客情報が伝わらず、戸惑った対応になる
たとえば――
社長だけが今日の来客予定を知っている。
ほかの社員は知らないまま、お客様が来社される。
玄関で対応した社員は、誰を待っているのかわからず戸惑い、
表情もぎこちなくなってしまう。
お客様からすると、
「歓迎されていないように感じる」
という印象につながることがあります。
こうした小さなズレが、
会社への信頼を静かに損なってしまうのです。
電話対応が遅れる、必要な情報がどこにもない
・社長がどこに外出しているのかわからない
・折り返しの案内ができない
・電話を受けた社員が焦ってしまう
これも、社員が悪いわけではありません。
「情報がそもそも共有されていない構造」が問題なのです。
情報は、判断するための材料。
材料がなければ、社員は動きたくても動けません。
クレームや都合の悪い情報が共有されないと、対応が後手になる
情報共有が弱い職場では、
特に クレームや“耳の痛い情報”が届かない という問題が起こります。
-
・お客様からクレームの電話
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・対応した社員だけが状況を知っている
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・他の担当者に伝わらない
-
・結果として対応が後手に回る
-
・お客様の不安や不信感が高まってしまう
本来、クレームは「改善のヒントが詰まった情報」。
しかし、共有されない風土では、
「誰かが責められるから言いにくい」
という空気が生まれます。
人を大切にする会社では、
クレームは“責めるための情報”ではなく、
「みんなでより良くするための学び」として扱われます。
2.“共有する文化”は、仕組みよりも「経営者の姿勢」から始まる
どれほど優れたツールを導入しても、
トップが情報を抱え込んでいては文化は育ちません。
共有の文化の土台にあるのは、
経営者のオープンな姿勢です。
オープンな姿勢は、社員の安心と信頼をつくる
-
・必要な情報はきちんと届く
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・大事なことは共有してもらえる
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・隠されていないという“安心”がある
この安心感が、
「わからないことは聞いていい」
「都合の悪い情報も言っていい」
という空気につながります。
文化は空気。
空気は、トップの姿勢ひとつで驚くほど変わります。
3.情報共有ができる会社は、“社員の判断力と主体性”が育つ
情報が行きわたると、社員は動きやすくなります。
●判断するための材料が増える
-
・来客予定
-
・社長の外出先
-
・現場の進捗
-
・今日優先すべきこと
材料が揃えば、社員は自ら判断し、動けます。
「会社の一員としての実感」も強まっていきます。
●主体性が育つ
情報共有は、社員に
「任されている」
という感覚を与えます。
任されている感覚は、仕事の意欲や誇りにつながります。
共有するほど、組織は強く、やさしくなります。
4.“共有の文化”をつくるために、今日からできる小さな一歩
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・来客情報を毎朝共有する
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・社長の外出予定を見える化する(ボード・チャット)
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・会議で「情報共有の5分」を設ける
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・都合の悪いことも隠さず共有する“安心感”をつくる
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・経営者自身が「皆さんに共有したいことがあります」と口火を切る
共有は“仕組み”よりも“空気”。
空気は、小さな積み重ねで変わります。
おわりに
情報共有とは、
単に情報を伝える技術ではなく、
「一緒に働く人への思いやり」です。
人を大切にする会社は、
朝礼でも、会議でも、日常のコミュニケーションでも、
情報を開く姿勢を大切にしています。
その積み重ねが、
・社員の主体性
・チームの信頼
・お客様からの評価
すべてを底上げしていきます。
もし、情報共有やコミュニケーションの改善を通じて
組織づくりを見直したいとお考えでしたら、
必要なときにいつでもご相談ください。
小さな一歩から、組織は確実に変わっていきます。
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アイパス経営コンサルティング株式会社
代表取締役・中小企業診断士
有村 知里
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