2025.12.10
[小さくても強くてやさしい会社]
〜改善が進み、学びが生まれる組織の“空気”〜
企業のご相談を受けていると、
「ミスが共有されにくい」、「トラブルが現場で止まってしまう」
という声を耳にすることがあります。
一見、仕組みの問題のように見えますが、
その根本には “ミスをどのように扱う会社なのか” という組織の空気 が関係しています。
人を大切にする会社は、
ミスを責めず、隠さず、改善につなげる文化を育てています。
なぜそれが強さにつながるのでしょうか。
1.ミスを責める会社では、情報が止まる
ミスが発生すると、
「上司から叱られる」
「評価が下がるのでは」
という不安が先に立ち、
人はどうしても情報を出しづらくなります。
すると、次のようなことが起こります。
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・現場で発生した不具合が報告されない
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・クレームが担当者の中だけで処理される
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・偶然うまく収まってしまうと、改善につながらない
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・だから、同じミスが繰り返される
-
・経営者は“何が起きているか”把握できない
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つまり、ミスを責める空気は「情報を隠す文化」をつくる のです。
情報が隠れる組織では、改善は起こりません。
2.ミスを責めない会社は、小さな失敗を“学びの種”に変えている
私が訪問してきた「人を大切にする経営」実践企業の多くは、
ミスをしても、まずはこう言います。
「教えてくれてありがとう。まず事実を共有しよう」
この姿勢が、組織を変えます。
すると、
~小さな異変・小さな声が、早く届くようになる~
ミスや不具合が早く共有されると、
組織は“早い段階で手を打てる”ようになります。
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・クレームが入った
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・在庫が合わない
-
・顧客対応が遅れた
-
・現場でトラブルが起きそうだ
これらがその日のうちに経営者やチームに届く会社は、
致命的なトラブルが少ない のです。
「人を大切にする経営」実践企業では
1時間以内に社長または部門の責任者に伝わり
対処しているというところも、少なくありません。
3.“責めない文化”は、情報共有と改善サイクルを加速させる
ミスを責めない会社には、共通点があります。
① ミスを共有しやすい空気がある
人は「責められる」と感じると黙ります。
逆に、
「話しても大丈夫」
「一緒に考えてくれる」
という安心感があると、自然に情報が集まってきます。
② 原因を“人”ではなく“仕組み”に求める
実践企業では、ミスが起きた時に
「誰が悪いか」ではなく
「なぜ起きたか」「仕組みで防ぐことはできるか」
という問いが最初に出てきます。
すると、責める雰囲気が消え、改善に集中できます。
③ 共有から学びが生まれ、同じミスが減る
ミスを共有し合う文化は、
改善のスピードを何倍も速くします。
クレームやトラブルは、本来とても貴重な情報です。
それを責める材料にせず、学びの材料にする。
その姿勢こそが、強い組織の共通点です。
4.“都合の悪い情報も共有できる会社”は、信頼される
情報共有の記事でも触れましたが、
組織にとって本当に大切なのは
「良い情報も悪い情報も同じように出てくる空気」 です。
特に都合の悪い情報が共有される会社では――
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・判断が早い
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・顧客対応が丁寧
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・トラブルが大きくならない
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・社内の信頼関係が強い
こうした特徴があります。
表に出てくる情報の質が、
会社の文化をそのまま映し出している のです。
5.ミスを責めない文化は、“人を大切にする経営”の核心
ミスを責めないとは、
甘やかすという意味ではありません。
「人を尊重し、事実に向き合い、改善につなげる姿勢」 のことです。
人を大切にする会社では、
ミスした人を否定するのではなく、
その人が再び前を向けるように
「どうすれば同じことが起きないか」を一緒に考えます。
この姿勢こそが、
社員の心理的安全性、主体性、信頼を育て、
組織を強くしていきます。
おわりに
ミスを責めない会社は、
学び続ける強い組織 です。
ミスをどう扱うかは、
“目に見えない会社の文化” をそのまま表します。
もし、ミスの扱い方や情報共有の仕方を見直しながら、
強くてやさしい組織づくりを進めたいとお考えでしたら、
必要なときに、いつでもご相談ください。
小さな一歩から、会社は確実に変わっていきます。
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アイパス経営コンサルティング株式会社
代表取締役・中小企業診断士
有村 知里
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