2026.03.04
[小さくても強くてやさしい会社]

踊り場は、停滞ではない
会社の成長は直線に伸びていくものではありません。
階段のように、段差と踊り場があります。
踊り場は、止まるための場所ではなく、
体勢を整えるための場所です。
市場が追い風のとき。
注文が増えるとき。
売上が一気に伸びる局面など。
そのとき、一気に取りに行くのか。
それとも、会社の文化と体力が整う速度を選ぶのか。
ここに経営の思想が現れます。
Steady Growthとは、
成長を自分たちで設計する力
です。
売り急がないという選択
「いい会社をつくりましょう」という社是をかかげる寒天メーカー
伊那食品工業株式会社(長野県伊那市)は、
寒天ブームに直面しました。
需要は急増し、
増産すれば売上も利益もさらに伸びたでしょう。
しかし同社は、売り急ぎませんでした。
当時の社長、塚越寛氏は
社員を疲弊させない、
品質を落とさない
文化を壊さない
といった判断から、
一時は増産体制を組んだものの
中止するという英断を下しました。
その選択は、一見すると「守り」に見えるかもしれません。
しかし、しばらくすると寒天ブームは去りました。
メーカーの中には大量の在庫を抱えたところもありましたが、
無理な増産をしなかった伊那食品工業では
在庫を抱えることはありませんでしたし、
品質を落とすようなことも無かったのです。
塚越氏の判断は、
在庫ではなく
信頼を積み増すための攻め
でした。
短期の利益よりも、
長期の信用を選ぶ。
Steady Growthとは、
数字の最大化ではなく、信頼の最大化を目指す姿勢です。
成長を制御できる会社
成長を制御するには、条件があります。
・財務が見えていること。
・利益構造が把握できていること。
・人材が育っていること。
・理念と判断基準が共有されていること。
そして何より、
・経営者が自分を制御できること
勢いに酔わない。
称賛に流されない。
評価が高まるほど、内側を締め直す。
Steady Growthは、守りではなく、
品格を保ちながら攻める姿勢
なのです。
信頼は、時間の中で育つ
成長の速度を自分で選べる会社は
強いと言えましょう。
急がない勇気。
断る勇気。
踊り場をつくる覚悟。
それは消極的ではありません。
次の機会に、跳ぶための準備です。
小さくても、強くて、やさしい会社であるために。
Steady Growthは、
利益を出しながら品格を保つ実践
なのです。
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アイパス経営コンサルティング株式会社
代表取締役・中小企業診断士
有村 知里
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