スマホ決済率約30%の現実と裏側

2020.02.24

[IT活用・デジタル化] 

ちょうど1年前、中国・上海のITとキャッシュレス事情を視察に行っておりました。

今年は新型コロナウィルス感染症の流行で、このような状況になっており、なかなか行けそうもありませんね。

 

右の写真は、上海の地下鉄駅構内で見た、100%オレンジジュースの自販機です。

もちろん、支払いはスマホ決済ですが、驚くのはその構造です。

機械の中にオレンジが入っていて、購入するとカットして絞って出てきます。

衛生面は大丈夫なの?と首をかしげますが、本当に100%ジュースであることを示すために、このような自販機があるとか。

 

 

さて、1年前、日本国内はスマホ決済黎明期でした。       

paypay,LINEpayがやっと使えるようになってきたかなあ、という程度だったことを記憶しています。

 

しかし、国のキャッシュレス・消費者還元事業のためもあり、キャッシュレス、そのなかでもスマホ決済は急激に利用を伸ばしています。

私もコンビニなどでは、ほぼスマホ決済で済ませているので、使わない日のほうが少ないでしょう。

 

右図は、普段の支払い方法を調査したデータです。(MMD研究所「2020年1月 スマートフォン決済利用動向調査」

 

 

18歳~69歳の男女約48、000人を対象に、普段の支払い方法について聞いたところ、トップは「現金」で91.8%、次いで「クレジットカード」が73.2%、「カード型の交通系電子マネー」が31.4%という結果だったそうです。

スマホ決済は第4位ですが、前回2019年7月の調査と比較すると、「現金」は93.0%から91.8%と1.2ポイント減少、「スマホ決済」は14.3%から29.6%と、15.3ポイント増加しているそうです。

     

スマホ決済は3人に一人が利用、また、普段現金を使わない人が10人に一人いるということですね。

データからも急激な利用増が見て取れます。

 

 

ただ、スマホ決済事業者は赤字状態です。(日経新聞2019年2月22日

ポイント還元でばらまいているからです。

 

キャッシュレス・消費者還元事業終了後、

手数料アップに動くか、

決済データ利用の促進という形になるとは思うものの

大きな赤字を生んでいくことは

業界にゆがみを作っていくのではないでしょうか。

 

事業者は7月以降(キャッシュレス・消費者還元事業終了後)の対策を考える時期にもう来ていますね。