理念の有無が、チーム力発揮に影響する

2021.01.25

[事業計画・経営計画] 

チームって何だろう

 

最近読んだ本についてご紹介します。

 

「チームの力 ~ 構造構成主義による”新”組織論」

   西條剛央著(ちくま文庫)

 

西條氏は東日本大震災後の2011年4月、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げ、

ボランティア未経験ながら日本最大級の総合支援プロジェクトへと成長させた経験をお持ちです。

 

その時の経験談をまとめて、

チームの作り方、あり方、リーダーシップなど

企業にも応用できる話をまとめているのがこの本です。

 

大震災プロジェクトの経験、学びが語られたあと、

 

そもそもチームとは何か」という話から入ります。

 

グループとチームの違いは何か。

集団と組織の違いとは何か。

 

 

あなたは何だと思いますか?

 

 

集団やグループ…単なる集まり

チームや組織……目的を達成するために集まり、結成された有機体

 

チームは目的達成のために作られている

と考えるとわかりやすいです。

 

 

目的と理念の関係

 

目的達成のために存在しているのだから

チームは何をするにも、その目的が重要になります。

 

西條氏は先のプロジェクトの目的に

「被災者支援」ではなく

「被災された方々が自立した生活を取り戻すサポートをすること」

と明文化しました。

 

単なる被災者支援では過剰な支援を招きかねないからです。

 

更にその目的の「抽象度」を上げて

チーム・プロジェクトの理念も掲げました。

 

それは「なくなること」でした。

 

支援が必要な被災者がいなくなることが理想の状態としたのです。

 

 

理念があるから”自律”して動ける

 

「ふんばろう東日本支援プロジェクト」では

その中で、物資支援や家電支援など

50以上のプロジェクトが立ち上がり

応援者を含めると10万人以上が関わったチームに発展しました。

 

西條氏は発起人でしたが、

様々なチームが立ち上がっていったあとは

チームの一つ一つに首を突っ込まず

チームが主体となって動くようにしました。

 

その時の判断基準

目的」であり、それを更にアップした「理念」でした。

 

理念がしっかりあり

それが判断の軸になっているので

個々のチームの動きにブレが無く

このプロジェクトの成功に導きました。

 

理念が自律したチームを作ったのです。

 

結果として、チームが機能して、支援先の自立とともに

最終的に3年以内に解散させることができたそうです。

 

 

  「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の目的と理念の話は

企業理念にも当てはまりますよね。

 

企業理念について考えている私には

とても腑に落ちる内容でしたので、ご紹介しました。