「続ける」覚悟から生まれる「続く」力

2024.06.08

[強くてやさしい会社] 

先日、打ち合わせがあって静岡市内を訪問する機会がありました。

市内の経営者の方が、昼食に400年以上も続く

「とろろ汁の丁子屋」さんに連れて行ってくださいました。

 

歌川広重の「東海道五十三次の丸子宿の版画では

旅人がとろろ汁を食べている様子が登場します。

そのくらい有名なお店です。

現在の店主は14代目だそうです。

少しお話をお伺いしたなかで

コロナ禍のお話になりました。

 

緊急事態宣言などで店を閉めざるを得ず

大変な苦労をされたようです。

 

ととろ汁の原材料の自然薯は

20軒もの契約農家さんにお願いして作っていただいているもの。

 

とろろ汁が全く売れないからといって

自然薯の仕入れをやめるわけにはいきません。

 

高齢の農家さんもいるので、一度仕入が滞れば

なくなってしまうかもしれない。

耕作をやめてしまうと、畑も荒れます。

それに、農家さんの生活もあります。

 

14代目は借金をしても

店舗のために自然薯を作っている農家さんから

仕入れを続けたそうです。

 

14代目のお話を伺って、

経営では「5人の人」を大切にしなければなりませんが

その一人である「取引先・仕入先」を大事にすることの

実践を垣間見ることができました。

 

自然薯の仕入れを続ける、

とろろ汁の伝統を守るという覚悟。

 

400年以上「続く」という言葉の裏には

代々の店主が

「続ける」という覚悟を持って

店を守ってきたからですね。

 

簡単に「続く」わけではなく

「続ける」の積み重ねの大きさを味わった食事となりました。