補助金に採択されたら注意することは?(早わかり補助金10の質問/第9回)

2017.12.08

[中小企業施策・補助金活用] 

質問 補助金に採択されたときの留意点は何でしょうか?

申請していた補助金が採択されました!

でも、知り合いの社長から「これからが大変だよ」と言われました。
何が大変なんでしょうか?

 

回答 手続きの手順に則りながら、着実に進めましょう!

補助金に採択されたとのこと、おめでとうございます!

これで計画していた設備投資や事業が始まるわけですから、本当のスタートですね。

 

ただし、喜んでばかりはいられません。

補助事業を始める段階で、最初に手続きやルールを理解しておきたいです。

補助金事業で起こりやすい間違い、勘違いに注意して、着実に進めていきましょう。

 

 

1.補助金手続きの要領に沿うこと

 

 補助金は採択されたから、直ぐに事業を開始してよいというわけではありません。

一般的には、採択後に正式な申請書の提出を経て、「交付決定」が出た後に事業開始となります。

手続きは補助金要領にまとめられているので、よく読んでください。 

 また、補助金事務局からの指示に従って、よく連絡を取りながら進めてください。

 わからないことは、事務局に尋ねながら進めると良いでしょう。

 

 

2.資金調達を万全に

 

以前もお話したように、補助金は通常「後払い」です。

ものづくり補助金の場合、設備を導入・検品して、代金などを全額支払ってから振込まれることになります。ですから、補助金分も先に負担しなければなりません。

 

このため、事業全体の資金調達について、金融機関等と連携しながら進めてください。

補助金を採択された場合、「つなぎ融資」も進めやすくなります。

 

 

3.書類の管理を適切に

 

補助事業を進めるときに、一番手間がかかるのが書類の作成、整理、保管です。

事業完了報告の時にも様々な書類が必要になります。

   (見積書、契約書、納品書、領収書など)

日付や内容などが間違いないかどうか、一貫性がないかどうか、確認してください。

 

その他、事務局から指示のあった書類を、きちんと準備しておきましょう。    

書類は一定期間、保管しておかなければなりません。

 

事業が完了し、補助金が振り込まれても、それで終わりではありません。

国の補助金の場合は、5年間にわたり、事業の状況報告をしなければなりません。

 

また、それにより収益があると認められ場合には、収益納付もしなければなりません。

 

 

適切に補助金が支出されたのかを検査するために、会計検査院が入ることもあります。

 

補助金=税金です。このため、事業がきちんと行われていることを、示さなければなりません。

以上のことを踏まえて、採択後は着実に事業を進めていきましょう。

 

 

《早わかり補助金10の質問》

第1回 補助金はどんなメリットがありますか?

第2回 補助金と助成金の違いは何ですか?

第3回 補助金を探す方法はありますか?

第4回 わが社の事業は補助金対象になりますか?

第5回 新事業の資金調達に補助金を使えますか?

第6回 応募前に注意しておくことは何ですか?

第7回 補助金の申請書・計画書の書き方を教えてください。

第8回 補助金に採択されるためのポイントを教えてください。